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桐島、部活やめるってよ [movies]


いつまでも余韻に浸っていたくて
エンドロールが上がりきるまでTVの前から動けなくなってしまいました。
とは言え、好き嫌いがハッキリ分かれる映画だと思います。
一体何が言いたかった訳?と首をかしげる方もいらっしゃるだろうと思うのです。

そういう私も 随分と変わったタイトルだなぁと思って何気なく息子に話を振ったところ
「やるなら録画しておいて欲しい」と言われたことがきっかけで観た訳なのですが
何の予備知識もなく 特に何も期待せずに観ていたので
不意に宝物を見つけてしまったような衝撃を受けました。
思いがけず、大きく心を揺さぶられてしまったのです。


容姿や性格に助けられ いつも陽のあたる場所にいる人

何をやっても出来る人 

全てを持っているように見える人

人一倍努力をしていても目に見える形ではなかなか結果が出せない人

自分に似た不器用な誰かをそっと見守り切なくなっている人

隅っこに追いやられてしまう人 自らの意志で隅っこに居る人

陽のあたる場所に居る人の近くで少し光を分けてもらっている人

適当に楽しく暮らせればいいと言いながら
実はそんな自分を冷静に見つめていて、自分に言い訳せずにはいられない人

理想と現実のギャップを痛いほど理解しているけれど
それでも好きな事に一心に取り組まずにはいられない人

キラリと光るものを持っているけれど大勢の中では目立たない人

その他大勢の中に埋もれてしまう人・・・ 


当たり前ですが、学校には本当に色々な人がいましたよね?
狭い箱の中で沢山の個性が共に学び、活動していく中で
毎日小さなことから大きな事まで様々な出来事が起きる。
そして、見えていてもいなくても
人の心の中には色々な感情が生じていて
それらが複雑に絡み合って進行していった学校生活。

この映画は
日々少しずつ積み重なり
水面下に存在し続けていた様々な立場の人の想いを
一つの出来事を通して浮き彫りにしていくのです。

それらが繊細かつリアルに描き出されていたので
そうだった!学校ってこういうところだった
そんな気持になったこと、私にもあったなぁ・・等と
男女関係なく様々な登場人物に感情移入してしまい
胸をキューっと掴まれたような痛みを感じる場面が多々ありました。

”見えているものが全てだと思っていたあの頃の自分
だけど本当は見えていないものの方が多かったに違いない”
そんなことも考えさせられました。

この映画のどこに一番心打たれたか・・・
本当はそれが書きたくてたまらないのですが、書けません。
実際にご覧になって感じたことがそれぞれの方にとっての真実であり
それが宝物になる方もいらっしゃると思うからです。


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追記1: 本日(2013年8月28日)19:50~ 
    wowowプライムで『桐島、部活やめるってよ』 が放映されるようです。

追記2: ”通常脚光(スポットライト)を浴びる必要がない人は
    スポットライトの中にいる人よりも、多くの光を発している”
                     ~アラン・コーエン~
     
    
     これは記事をUPした後に届いたメルマガに書いてあった言葉です。
     共時性を感じたので追記いたしました。

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しあわせのパン [movies]


映画『しあわせのパン』は
少し寂しげな雰囲気が漂い それでいて胸にあたたかなものが 
しずかにしずかに沁みこんでいく物語でした。

洞爺湖の畔でカフェを営む夫婦、水縞君とりえさん。
二人の暮らしを軸にして
お客さんやご近所(?)の人々との触れ合いを描いています。
ご近所の皆さんがちょっと風変りで 楽しそうに生き生きと暮らしていて・・・
そういうところも大変魅力的でした。
(特に余貴美子さんが演じた役柄、最高です^^)

豊かな自然と共存し 食事を含めた日々の営みを
自分達のスタイルで丁寧に行う様子はスローライフそのものです。
そういった暮らしぶりを題材にしている物語は数多く存在すると思うのですが
この物語のベースにあるのは ”見守る”ということなのではないかと感じました。

夫婦でお客さんをそっと見守る姿や
水縞君が、時々誰も入ることが出来ない心の扉を開けて
一人静かにそこへ入ってしまうりえさんを見守る姿には
優しさだけでなく芯の強さも感じます。


二人は一緒に暮らし、パンを分け合い、何でも一緒にしているのですが
何故か肩を並べる二人の間には目に見えない境界線のようなものがあるように感じて
映画の序盤では ”二人は夫婦?それとも同志?” と考えたほどでした。
でも思ったのです。
夫婦間に限らず、ある程度の距離が必要な間柄もあると・・・

敬語を使って話している姿にも好感が持てました。
きっと物理的な近さや話し言葉の形にこだわらない二人が
お互いを尊重する気持の顕れなのではないかと感じたからです。


部屋の中に何げなく書かれていた
スキナコトヲ スキナトキニ』 という言葉に
誰かが誰かを見つめるまなざしに
良いと思っていることは謙遜せずに「いいです」と言えることに
手をかけて丁寧に作った食事を美味しくいただくことに
子供が相手であっても丁寧な言葉で語りかける姿に・・・と

挙げ出したらきりがないくらい心が大きく動く場面があり
こんなに何から何まで自分好みの映画は久しぶりかも・・と思っていたのですが
物語が終わり、エンディングの曲が流れ始めた時
更によい意味で ”やられた~!” と思ってしまいました。
高校生の時に初めて聴き、大きく心揺さぶられた曲
矢野顕子さんの『ひとつだけ』のイントロである美しいピアノの音色が聞こえて来たからです。

ここでこの曲と再会するとは思いもしなかったけれど、すごく合ってる!
そう思いつつ耳を傾けていると 更なるサプライズが・・・
途中で急に顕子さんじゃない声に変わった?!と思ったら
何と!それはキヨシローさんの声だったのです!
大好きな二人が歌う大好きな曲との突然の出逢いにビックリ&感動で
しばらくボンヤリとしてしまいました。
顕子さん一人で歌っている時とはまた違った深い味わいがあり すごく素敵なのです。




そして ↑この写真ですが
随分前に出逢い、私の大切な宝物になっている印象的な光景に似ているので驚きました。
(正確には星は細い月の左上に一つだけだったのですが・・・)

当時その光景を目にした時
月が少し離れた場所で輝く星を優しく見守り
下からそっと見守られていることを知っている星は 自由に自分らしく輝いている…
月が懐の広い紳士で星が自分の心に正直に生きる女性に見えました。
近くでぴったり寄り添っている訳ではないのに
私には実際に寄り添っている以上に強く結びついているように感じられたのでした。

今改めてその時の光景に似たこの写真を見ていると
そんな月と星との間の空気感が水縞君とりえさんの関係にも似ていると感じ
この映画に心動かされ エンディングと同じ曲を探していてこの写真と出逢ったことが
偶然ではない気がして、ちょっと感動してしまいました(*^^*)

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Wendy Hiller [movies]


映画 『オリエント急行殺人事件』を見ました。
実は、アガサ・クリスティの本は一冊も読んだことがありません。
典型的な推理小説を好んでは読まないので、今までご縁が無かったのですが
映画はちょっと気になったので、録画しておいたのです。

映画自体、色々な意味で楽しめたのですが
中でもハッとしたのが、ロシアの貴婦人役で出ていた女優さんの特徴のある話し方です。
時々巻き舌になる癖のあるアクセントは威厳を感じさせ、いかにも貴婦人といった感じです。

何故そのアクセントにハッとしたかと言いますと
映画『アンの青春』の登場人物の中に居た、我儘で偏屈なおばあさんの話し方を思い出したからです。
こういう話し方をする人がもう一人居るのか、はたまた同じ人なのか・・・
そこがすごく気になり、映画を見終わってから検索してみると
やはり同一人物で、ウェンディ・ヒラーという名前の女優さんであることが分かりました。

顔は覚えていないのに、話し方で あれっ? と思わせるなんて、すごい個性ですよね?
そして、私はその個性にすっかり魅了されている事に気づきました。
小気味よいリズムを感じる彼女のセリフが聴こえてくる度に心が弾むからです。

イギリスの女優さんのようですが、イギリス英語のアクセントに更に何かが加わったような…
とても不思議な話し方で耳に心地良く響くのです。
一体どのようにしてあのような個性が備わったのか、そのバックグラウンドが気になって仕方ありません。
気高い老人役の時にだけ演技でそうしているのか、または若い頃からそういう話し方をしていたのか
その辺もとても気になるので、他の作品も見てみたいと思いました。
もしもウェンディ・ヒラーに詳しい方がいらしたら是非教えて下さい。

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小さな哲学者たち② [movies]


前回の続きです。

愛・死・自由とは? 男女・人種・動物と人間の違い
頭がいいってどういうこと? 大人の方が子供より優れている?等
色々なテーマが用意されていました。
そして、子供達の意見は理由までは説明できない可愛らしいものから
驚く程大人っぽかったり論理的だったりするものまで様々でした。
いくつか印象的な場面があったのでご紹介したいと思います。

『頭がいいってどういうこと?』という質問に対して色々な答えが出て来ましたが
特に印象的だったのは一人の女の子のこんな発言です。
「○○はいつもタレント気取りよ」

一見頭の良さとは何の関わりもなさそうな答えでしたが
この時先生は、「質問とどういう関係があるのか説明してみて」と言いました。
すると、こんな会話が展開したのです。

「ピンクのコートで美人のつもりに・・・」→「頭の良さと関係が?」
 →「お兄ちゃんが、スターを気取るのはバカだって」

この意見に対して別の子も
「スターを気取るのはうぬぼれている。
 自分はスターのつもりでも他の人はそんなのどうでもいいと思ってる。」と発言しました。

このようにちゃんと話を聞いてみると
誰かの批判になってはいますが
その子なりにテーマと繋がっている発言をしていたのでした。
もしも先生が「それは関係ない話でしょ?」と一蹴していたなら
その発言の奥にあった真意は分からずじまいですし
発言した子も話を最後まで聞いてもらえずガッカリしたことだろうと思います。
どういう関係があるのか説明させた先生の指導は素晴らしいと思いました。

また、死について話し合っていた時の議論も興味深かったです。
『人が死んだらみんなの頭や体はどんな感じになる?』という質問が投げかけられると
「ママが死んだら自殺する。」と言った子がいました。
それに対して「あなたのパパが淋しがるわ」と言いう意見が・・・
すると自殺すると言った子がこう反論しました。
「妹が二人いるもん!」
その意見に対してはこのような反論が・・・
「あなたを恋しがるわ!」

そう言った子は一人一人が親にとっては特別な子であり
たとえ妹が何人いても
その子の代わりになどならないということを理解しているのでしょう。
そして、別の子からもこのような意見が出ました。
「死んでしまったら生き返れない。
 ママが死んだらパパと一緒にいてあげなきゃ。
 ママは心の中に残るからいつでも思い出せる。」

その他印象的だった意見は以下の通りです。
愛や恋についての意見はとても現実的で驚きました。

・結婚することがいいこととは限らない
・謝れないと恋は終わってしまう
・一生愛することはできない 
・パパは障害を持っているけれど、私もパパもそのままのお互いが好き
・自由とはちょっとひとりになれること。息抜きができて優しくなれること。
・どうして貧しい人は貧しいままなの?
・死んで天国に行くのは皮膚ではなく魂で、魂とは目には見えなくて青いものでお腹から出る。
・私は4歳の時は何も考えられなかったけど5歳になったらできるようになった。
 来年はどうなっているか分からない。

どんなに小さくても色々なことを感じたり理解したりしていると分かっていたつもりだったのですが
このようにハッキリと言葉で表現された子供達の気持を聞いてみて
改めてその思慮深さにハッとさせられました。

何かを見聞きした時に、それを鵜呑みにすることなく自分の頭で考える習慣を身につけることや
自分の意見が周りと違うのではないか?と恐れることなく
人に伝えようとする気力を育むことはとても大切だと思います。
日本でも小さな子供達がこのような教育を受ける時代が訪れることを願います。

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小さな哲学者たち [movies]


「お誕生日会じゃない、これは考えるためのろうそくよ。 
 火は疑問の答えを探し出す合図、答えを出す手助けをしてくれるの。」

先生は小さな声でささやきかけ 
子供達は静かに座って先生の言葉に耳を傾けています。
一本のろうそくに火を灯して始まる哲学の授業。
それは、テーマに沿って考えること
人の意見にも耳を傾けた上で更に考えてみること
そして再び自分の考えを伝えること
そのような時には誰かの意見に賛成なのか反対なのかを伝えてから
その理由を説明するのだということを
実際に意見交換を繰り返すことで学ばせるとても高度な内容でした。

そしてその対象になっていたのが4~5歳の子供達です。
フランスの公立幼稚園の園児に哲学の授業を行った模様を
2年間にわたって収録したドキュメンタリー映画『小さな哲学者たち』は
小さな子供達の中に存在する考える力の素晴らしさと
自分の考えを伝えようとする正直でストレートな姿を映し出していました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「僕が目を瞑ると頭の中に何かもやもや 何も見えないよ。」

「僕はね、美味しいものが見えるよ。」

「君は? 頭の中に何がある?」

ペープサートを導入として
『自分の頭の中には何がある?』と考えさせるところから始まった授業。
”脳” ”記憶” ”パパやママ” など、様々な答えが子供達の口をついて出てきました。

「私(先生)が何か課題を出すとみんなは頭で何かをする。何をするの?」
 →「記憶を働かせる!」

「そうね。頭の中にあるものを働かせることを何と呼ぶのかしら?」
 →「考える」

「そうね。考えることが必要なの。
 それじゃ、私達が頭の中で考えたことは目に見えるかしら?」
 →「見えない!」

「(目には見えない)考えを人に知らせるには?」
 →「口を開ける」「開けて出す」「話す」

このように、考えるということの定義や
考えたことを人に伝えるにはどうしたらいいかという
この授業を始めるにあたって押さえておかなければならないことでさえ
先生が一方的に教えるという進め方はしていませんでした。

はじめは先生が質問をして子供達が各々の意見を言うという形で授業は進みます。
それを繰り返すことで自分の頭で考えることを促し
子供達の中から答えを引き出す役が先生でしたが
だんだんと回を重ねるごとに、先生が最初の質問を投げかけると
誰かが答えたことにまた誰かが意見を言い・・・と
どんどんディスカッションの輪が広がって行きました。
時々混線してしまうので、そういう時は先生が上手に整理をするのですが
子供達が主役になって活発な意見が交わされるようになっていく様子は目を見張るものがありました。

②につづく・・・
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Golden Slumbers [movies]


今夜は夕飯後に息子達と映画『ゴールデンスランバー』を見ました。
こちらも原作は伊坂幸太郎です。

原作は、本が出て割とすぐに読みました。
とても個人では太刀打ちできない大きな力を持った相手からひたすら逃げ続ける話なので
読みながらずーっと緊張していて、胃がキューッと締め付けられる思いでした。
そして、緊迫した中登場する協力者達や父親の行動・言動に涙しました。

本がすごくよかったので
ガッカリしたくなくて映画はずっと見ていませんでしたが
そんな心配は無用でした。
緊張したり、笑ったり泣いたり とにかく忙しい・・・
伊坂ワールドを上手に見せてくれたことに感動しています。




タイトルにもなっているThe Beatlesのこの曲が
またすごくいい感じで流れるんですよね~。
こういう演出は映画ならではのものだなぁ・・・ 
上手いよなぁ~と、ただ今余韻に浸り中なのであります(*^^*)
本も映画もすごくおすすめです♪



ゴールデンスランバー (新潮文庫)

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  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/11/26
  • メディア: 文庫




ゴールデンスランバー [DVD]

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  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD



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愛する人 [movies]


久しぶりに家で映画を観ました。
『愛する人』 英題は Mother and Child です。
この映画を一言で表すなら、英題の通り ”母と娘” となると思います。

事情があって一緒に暮らせなかった母と子
一緒に暮らしていても、それぞれが抱えている想いが邪魔をして
うまくお互いへの愛を表現できない母と娘
何組かの親子の姿を通して
母親の我が子に対する様々な愛の形を描き出しています。

・・・・・・・・・・・・・・・

14歳で未婚の母となり
すぐに養子に出して以来37年間
一度も会っていない娘を毎日思い続けるカレンは
病気の母親と一緒に暮らしています。
カレンの母は、娘から子供を引き離してしまった自分を密かに責め続け
お互いの罪悪感が母娘の関係をぎくしゃくさせています。

カレンの娘、エリザベスは有能で自立した女性となり
仕事も成功し、更なる目標に向けて順調に歩みを進めていますが
どこか冷めた目で自分の人生や周りの人のことを見ています。

カレンもエリザベスも人を寄せつけない固さを持っていたのですが
それぞれが人生を変えてしまう人との出逢いや出来事を経て
心の奥には元からあった愛が、自然に周りの人へと溢れ出します。
過去に縛られていた意識から自由になり、愛することを選択し始めたのです。
そして、お互いを探し出そうと勇気を出して行動を起こします。

・・・・・・・・・・・・・・・

この二人の人生が軸となって話が展開していきますが
もう一組、どうしても子供が欲しくて養子縁組を希望している夫婦が重要な役割を果たし
最後には全てが繋がっていくのです。
カレンとエリザベスの周りに存在する人々が物語に深みを与え
切なさの中にあたたかな愛が感じられるヒューマンドラマとなっていました。
ストレートに表現出来ずにいる母親の愛が心に沁みます。
静かな余韻が残る、素晴らしい映画でした。

映画の雰囲気を感じて頂きたくて予告編の動画を貼ろうかと思ったのですが
残念ながらこの映画の良さを伝えてくれる編集ではないと感じてしまったので、やめておきます。

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